中国一圓銀貨の「孫文」とは？

中国一円銀貨に描かれている孫文は、1866 年⽣まれの中国の政治家・革命家です。
中国では一般的に孫中山と呼ばれます。

中国一円銀貨の「孫文」と辛亥革命の関係

1911 年から翌年にかけて、清では兵⼠の反乱や、それに呼応した各省の独⽴運動が発⽣していました。
これを辛亥革命（しんがいかくめい）といいます。
孫文は革命家として日本、アメリカ、ヨーロッパなどを渡って活動していましたが、辛亥革命の際に上海に帰着。
革命派の⽀持を集めた孫文は臨時⼤総統となり、1912 年1 月1 日、南京に中華⺠国を成⽴させました。
このことから、孫文は中華⺠国では「国⽗」、中華⼈⺠共和国では「革命の⽗」と呼ばれています。

「中国一円銀貨孫文」

辛亥革命により、1912 年の中華⺠国が開国します。
そして、中華⺠国の開国を記念して、一円銀貨が発⾏されます。
1914 年からの一円銀貨では、中華⺠国の初代⼤統領である袁世凱の銀貨が発⾏されました。
一円銀貨と言っても、中国では「壱圓」と記載されており、圓の文字の字画が多いことから次第に同じ読みの「元」が使われ、元が正式な通貨の単位の名称となりました。
この壱圓銀貨は、1927 年から孫文の横顔がモチーフへと変更になりました。

中国一円銀貨「孫文」の図案・重さなど

中国一円銀貨「孫文」は、重量約26.7g／直径約38mm の銀貨です。
表の図柄は孫文の横顔、「中華⺠国」の文字と年号、裏には「壹圓」の文字と船の図案が刻まれています。

中国壱圓銀貨の種類（孫文、袁世凱）

前述の「中華⺠国壱圓銀貨（袁世凱）」や「中華⺠国開国記念幣（孫文）」があります。
年代が近いことや、雰囲気が似ているので間違わないように確認して下さい。

「袁世凱」とは？

袁世凱は、清（中国）の軍⼈・政治家で、中華⺠国の初代⼤総統となりました。
1913 年、孫文が理事⻑を務める国⺠党が多くの議席を獲得。
袁世凱は、国⺠党の実質的指導者だった宋教仁を暗殺し、⼤総統として⾃らの権⼒を強めようとしました。
これに反発するため、孫文は中華革命党を設⽴。
孫文らのこうした動きを「第二革命」と呼びますが、袁世凱によって党は強制解散させられます。
その後、袁世凱は帝政を復活させて国の名前を中華帝国とし、⼤皇帝に即位。
しかし反帝政の流れに抗えず帝政は1916 年に廃⽌となり、袁世凱はそのまま病死しました。

中国一円銀貨「袁世凱」の図案・重さなど

中国一円銀貨「袁世凱」は、重量約27g／直径約39mm の銀貨です。
表の図柄は袁世凱の横顔と「中華⺠国」の文字と年号、裏には「壹圓」の文字が刻まれています。

中国一円銀貨の別名「銀元（銀圓）」

中国の通貨としての銀貨を、正式名称で「銀圓」と呼びます。
ただし銀圓では画数が多いことから、同音の文字に当たる「元」の文字が使用され「銀元」と呼ばれています。

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